大きな災害が起こった後に「これが無くて困った」という体験談はいろいろ聞きますが、その中の1つにカセットコンロとガスボンベがあります。
一人暮らしだとカセットコンロを常備している人は少ないかもしれないし、カセットコンロって使うのがちょっと怖いと思って避けている人もいるかもしれません。
でも、いざ大災害が起こったらカセットコンロがあるかないかでできることが随分違ってきます。
そこで今回はカセットコンロの備蓄のポイントについてお話しますね。
カセットコンロを災害備蓄する、おすすめや必要な基礎知識
備蓄品にカセットコンロが必要な理由
一人暮らしをしているとふだんの生活でカセットコンロを使う機会はあまりないかもしれません。
私自身もカセットコンロを自分一人で使ったことがほとんどなく、「ガスボンベをセットするのが怖い」と思って苦手意識がありました。
でも、災害の備蓄について調べていくうちにカセットコンロの必要性に気がつきました。
ちょっと考えてみてください。
もし大きな地震が来てライフラインが止まってしまったら・・・
電気もガスも使えない状況になったら
お湯すら沸かせなくなってしまうんですよ!
お湯が沸かせないって結構致命的じゃないですか?
食べ物を温められないどころか、備蓄食料の中にはお湯がないと食べられないものも出てきます。
そんな時に電気もガスも使わず、それ単体で使えるカセットコンロがあったらものすごくあ助かります。
ちなみに、
防災情報を発信する人の中には「防災でカセットコンロは不要」という考え方の人もいるんですが、私は必要なんじゃないかなと思っています。
というのも、
東日本大震災で、電気・水道・ガスが9割くらいまで復旧するのにかかった日数を見てみると、電気が約6日、水道が約24日、ガスにいたっては約34日、1ヵ月以上も止まったままなんです。
1番早く復旧する電気ですら1週間近くかかっています。
電気が復旧すればホットプレートや電気ポットも使えるようになりますけど、1週間以内の復旧はあくまで目安なのでその通りいくとは限りません。
それに、首都直下型の地震だったら被害は相当なものになるだろうから、最初の1週間の間で支援態勢が整うとは限らないですよね。
サポートが受けられるようになるまでの間は自力で何とかしなきゃいけなくなります。
それに、支援物資が届くようになっても燃料の支援のメインはカセットボンベです。
そう考えると、
自宅避難の場合、ライフラインが止まった時のためにカセットコンロとボンベはあった方が助かる!と私は思うんですよね。
カセットコンロとカセットボンベはどちらも値段が手頃ですから、用意しておいて損はありません。
カセットコンロのボンベの備蓄は何本必要?
カセットコンロを備蓄する時は必ずいっしょにカセットボンベも用意しておくようにします。
カセットボンベの備蓄量の目安は備蓄食料と同じで、7日分あると安心です。
そこで気になるのが、カセットボンベ7日分って何本分のこと?ということなんですが、これはガスの使い方によって変わってきます。
お湯を沸かすだけなのか、簡単な調理もするのか、ということでもガスの消費量が違ってくるし、夏なのか冬なのか、季節によっても違ってきますよね。
そのため、
あくまで目安ということになるんですが、レトルト食品を温めたり温かい飲み物をのんだり、殺菌や洗浄のための湯沸しをした場合と考えて、大人1人が1週間で使うカセットボンベの量は
春、秋、冬なら4~5本
夏なら3~4本
くらいになります。
カセットコンロとカセットボンベの使用期限
カセットコンロとカセットボンベを備蓄する時にもう1つ、知っておかなきゃいけないのがそれぞれの使用期限です。
食べ物ではないのでいつまでも置いておけそうですが、実はカセットコンロとカセットボンベには使用期限があります。
なぜかというと、カセットコンロやカセットボンベにはガス漏れを防ぐためにゴム部品が使われているからです。
ゴムは経年劣化していく素材なので、使用頻度に関わらずただ置いておくだけでも劣化が進んでしまいます。
そのため、部品の品質が保たれている期限内に使い切る必要があるんですね。
ちなみに、カセットコンロで有名なイワタニの場合、
カセットボンベは製造から7年以内に使いきる、カセットコンロは製造から10年での買い換えが目安です。
また、もし可能であればカセットボンベは長期保存するよりもふだんから使っては買い足すというローリングストックで常に新しいものに入れ替えての備蓄がおすすめです。
カセットボンベの保管方法
私がそうだったんですが、カセットボンベって使い慣れない人にとっては「ガス漏れしない?爆発しない?」と保管しておくのがちょっと心配なこともありますよね。
そこで、カセットボンベを保管する時に気をつけるポイントを紹介しますね。
【高温を避ける】
カセットボンベは高温になりすぎると爆発する恐れがあるため、直射日光を避けて40℃以下の場所で保管します。
もちろん火の気のないところに置いておくようにします。
【湿気を避ける】
カセットボンベは湿度の高いところに置いておくと缶が錆びてしまい劣化につながることがあります。
そのため、保管場所は湿気の少ない場所を選びます。
【ガス漏れを避ける】
カセットボンベはキャップをとらずに立てて保管します。
また、使いかけのガスボンベは一度カセットコンロからはずして、キャップをつけて保管します。
【高いところを避ける】
カセットボンベは棚の上など高い場所に収納しておくと地震の時に落下する危険があります。
高いところから落ちた衝撃でボンベが破損してしまうこともあるので落下しやすい場所には置かないようにします。
【関連記事】
カセットコンロの備蓄や使用時の不安についてはこちらに詳しく書いているので、心配な方は参考にしてみてくださいね↓
▼カセットコンロの備蓄は危険?ガス漏れや爆発を予防するポイント
備蓄用カセットコンロの注意点
この他に備蓄品としてカセットコンロを用意する時に気をつける点がこちらです。
【カセットコンロとボンベはメーカーをそろえる】
カセットコンロの備蓄について調べていると、カセットボンベの火力や持続時間など備蓄に向いているカセットボンベのランキングなんかが出てきます。
ですが、「長持ちしそう!」とカセットボンベを適当に買うのは失敗の元。
カセットコンロは指定された専用の器具と容器(ガス)の組み合わせで使いうことが法令で定められています。
つまり、カセットコンロは本体によってそれぞれ使えるカセットボンベの種類が決まっているということです。
違うメーカーの物を組み合わせると事故の原因になったり、そもそもボンベをカセットコンロにセットできず使えないなんてこともあります。
そのため、カセットコンロとカセットボンベは同じメーカーの指定のものを用意するのが基本です。
【気温が低いとカセットコンロは使えない】
カセットボンベはガスの成分の特性で気温が10℃を下回ると気化しにくくなり、5℃以下になるとほとんど気化しなくなります。
そのため、気温が低いとカセットコンロが使えない場合があります。
【風の強い場所での使用は控える】
風が吹くところでカセットコンロを使うとバーナーの炎がコンロの本体に巻き込み、事故や本体の焼損を起こしてしまうことがあります。
また、風で炎が横に流れたり本体内に吸い込まれると、本体やテーブルをこがすことがあるので注意が必要です。
カセットコンロを風のある屋外で使いたい場合はこういった風除けのついたコンロを用意しておくといいですよ↓
さいごに
一人暮らしだとカセットコンロはふだんはあまり活躍の場がないんですが、いざという時のことを考えると1つ用意しておくと安心です。
探すとかなりお手頃なカセットコンロもありますよ。
カセットコンロは使い慣れなくて心配・・・という方は安全な方法などをこちらにまとめているので参考にどうぞ↓
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